博物誌 - 魚介類
ラティメリア(シーラカンス):
シーラカンス目 ラティメリア科
Coelacanth (英)
1938年12月22日、南アフリカで発見されると同時に一躍脚光を浴びて 「生きて
いる化石」「古生代の生き残り」 と世界中を熱狂させた。
シーラカンスの登場は実はゴキブリよりも古く、しかも4億年位前からほとんど
その姿を変えていない。
なぜそれほど長い間進化をしなかったのか、多くの学者達は長年頭を悩ませてきた。
シーラカンスの頭を逆さにして海底をもがくように泳ぐ不器用な姿は
- 基本設計が優れているので進化の必要が無かった -
というそれまで「生きた化石」に適用してきた説明をあざ笑っていたからだ。
アンドリュー・パーカーによれば生物の形態の多様性はカンブリア紀に三葉虫が
眼を獲得したときから始まったと言う。
眼の獲得によって生物は自ら獲物に近づき捕獲することが可能になった。
これは同時に 「あらゆる生物は捕食者を意識し、捕食者から逃れるためには
必死にその姿を変えなければならない」 と言うことを意味している。
生物とは生まれながらにして弱肉強食の食物連鎖に組み込まれ、激しい生存競争
の果てに今なお進化を続けているものなのだ。
決定的な説明を打ち出せないまま魚類学者たちが考えあぐねていたところ、日本
の魚類学者がついにその謎を解くときがきた。
研究所に送られてきたシーラカンスを試食して見たところ…
恐ろしく不味くてとても食べられたものではなかったのだ。